ビリビリグッズで使用されている回路

技術開発,未分類

概要

ジョークグッズとして売られているビリビリグッズを自作してみたいと思い、まずは市販品を分解して解析、マイコンで電撃の出力を変化出来るよう作り直してみました。

市販品の解析

ビリビリグッズ オフィシャルサイト様にていくつかビリビリグッズを購入して分解してみました。
どれも基本的には昇圧回路の簡易版のような回路構成になっていました。
スイッチ回路はポッティングされていて詳細はわかりませんでしたが、おそらく定期的にPNPトランジスタかPch MOSFETをON/OFFする回路かと思われます。

これを回路シミュレータで再現して原理を調べてみます。
負荷抵抗は5kΩ(乾燥した皮膚のおおよその抵抗値)にしています。

まずはFETをONにして1次側に磁気エネルギーを蓄積します。
FETがOFFになると1次側に逆起電力が発生、それがトランスで10倍に増幅されることでMOSFETのドレインと繋がっている部分が負の高電位となります。そのためGNDから負荷抵抗(皮膚)を通して高電位になっている部分に電流が流れる、という仕組みになります。

原理試作

まずはMOSFETが壊れる覚悟で保護回路もゲート抵抗もなしで組んでみます。
マイコンはSeeed XIAO RP2040を使用しました。トランスはビリビリグッズに使われていたものを流用しています。
流石に電源をUSBから取るのは怖かったので単3乾電池2本で動かしています。

マイコンのコードは以下です。
何度か試したところ磁気飽和するまでの時間は100~200usの間でした。

#define PIN_SW 1

void setup() {
  pinMode(PIN_SW, OUTPUT);
  digitalWrite(PIN_SW, HIGH);
}

void loop() {
  digitalWrite(PIN_SW, LOW);
  delayMicroseconds(200);
  digitalWrite(PIN_SW, HIGH);

  delay(1000);
}

原理試作したものをオシロスコープで確認してみました。
手持ちのオシロスコープは300Vrmsとやや不安の残る仕様でしたので、OUTの先に100kΩと10kオームで0.091倍にして測定しています。

結果としてはピーク値で-40.3Vなので、分圧前の電圧は約443.3Vとなります。

以下はレンジを拡大したものです。磁気エネルギーが溜まるにつれてトランスの電圧が下がっているのがわかります。
横軸レンジも広げて通電時間を測定したところ、15.8usでした。

低周波治療機の規格との比較

株式会社リエット様によるビリビリペンの検査結果によると、JIS T2003:2011にて「家庭用低周波治療器の要求事項は、 1kΩ無誘導抵抗負荷で電圧値200Vp-p. 以下、及び電流値20mA以下であること。」と規定されているようです。

株式会社リエット様が公開している試験結果より引用

この試験結果に合わせるため、分圧抵抗を外して負荷抵抗を1kΩ(実測値:983Ω)に変更、再度測定してみました。
結果としては電圧は21.01Vp-p、トリガー以降の実効値は約2.63Vrms、電流の計算値は約2.68mArmsとなり規格を満たしています。
また株式会社リエット様での試験結果に近い値となっているため、ビリビリグッズの回路を再現できたといえます。