接着剤について

2024年3月31日Raspberry Pi Pico入門,その他

概要

電子回路を作るときはハンダ付けで事足りるのですが、ケースを作りたい・モーターでギミックを動かしたいとなると接着剤を使う機会が増えてきます。今回は私が電子工作をする時によく使っているものを紹介しています。私自身は接着剤に関しては素人であり、間違った解説もあるかもしれませんので参考程度に。

スーパーX

公式サイトより引用
  • 手軽に使える
  • 硬化に時間がかかる
  • 硬化後はゴムのようなやわらかい感じになる
  • こんもりと盛るような使い方ができる

一般的にはゴム系接着剤と呼ばれている接着剤で、空気中の水分を吸収することで反応硬化します。使える範囲が広いのと固まった時にゴムのようになるのが特徴です。大抵のものはくっつけることが出来るので1つあると便利です。
原理は全くわからないのですが、時間をおけば空気に触れていない部分もしっかり固まるようなので、隙間を埋めるような使い方も出来ます。

使い方は、まず接着したい面の両側にスーパーXを塗って5~10分ほど放置します。表面が少し固まってきたタイミングでスーパーXを塗った面同士を強く押し付けるとくっつきます。その状態で固定したまま24時間放置するとしっかり固まります。
公式サイトで更に詳しく解説されています。

https://www.superx.jp/topic/397/

アロンアルフア・プロ用速効多用途

公式サイトより引用
  • 手軽に使える
  • 硬化が速い
  • 硬化後は固くなる
  • こんもりと盛るような使い方は出来ない

一般的には瞬間接着剤と呼ばれている接着剤で、スーパーXと同じく空気中の水分と反応して硬化します。
通常のアロンアルファも便利なのですが、プロ用速効多用途は使える範囲が広い・硬化が速いので好んで使っています。また、このシリーズはアルミ製のチャック袋に入っていて、「しばらく棚に入れておいたらガチガチに固まってて使えなかった」というのをある程度防いでくれるのが地味に便利です。

使い方は接着面に薄く塗って貼り合わせるだけです。接着剤の量が多いと空気に触れていない部分が多くなってなかなか固まらないので注意してください。また、接着する面積が小さいと上手くくっつきません。

BONDIC/BONDIC EVO

公式サイトより引用
  • 手軽に使える
  • 硬化が速く、好きなタイミングで固められる
  • 硬化後は固くなるが、強度は少し低め
  • こんもりと盛るような使い方ができる

一般的にはUV硬化型接着剤と呼ばれている接着剤で、紫外線を当てることで化学反応して硬化します。
このタイプにはいくつかの商品があるのですが、BONDICは硬化する速さ、硬化後の硬さで一番だと感じています。EVOは少し高価ですが、拳銃型になっていて使いやすいので個人的に好きです。

使い方は接着したい面にBONDICを塗って付属のライトで紫外線を5~10秒当てるだけです。サラサラな接着剤なので、こんもりと盛るときは重ね塗りをすることで厚みを増すことができます。物をくっつけるだけでなく弱い部分をコーティングしたり割れ目や凹みを埋めたい時にも使えますが、強度は他の接着剤に比べると若干低めです。(グッと曲げるとパキッと折れる感じです)
硬化後はヤスリ掛けも出来ます。

クイック5

公式サイトより引用
公式サイトより引用
  • 使うのに手間がかかる
  • 硬化時間は少し長い
  • 硬化後はガチガチに固くなる
  • こんもりと盛るような使い方ができる

一般的にはエポキシ系接着剤と呼ばれている接着剤で、A液とB液を混ぜることで化学反応して硬化します。時間と手間をかけてでもガチガチに接着したいときはこれ、という感じで使っています。空気に触れていなくても固まるので隙間を埋めつつ固めるような用途にも使えますし、リード線をハンダ付けした部分の強度を高めるためにコーティングしたりもできます。使用温度範囲は-20~80℃と書かれていますが、過去に周囲温度120℃でこんもりと盛るような使い方をして数日放置したことがありますが何とか耐えてくれました。

使い方はA液とB液を小さく切ったコピー用紙等に同量を出し、しっかり混ぜて接着したい部分に塗るだけです。5分程度で粘り気が出てきて、面同士の貼り付けなら15分で硬化、こんもりと盛った使い方でも2~3時間で実用的な強度になり、24時間で完全硬化します。
2液の量はそこそこシビアで、量が違ったり混ぜ方が足りないと固まらないこともあります。残った接着剤はすぐに捨てずに、ちゃんと固まったかの確認用にしばらく置いておいたほうがいいかと思います。
液量のはかり方は見た目でもある程度は出来ますが失敗しやすいので、0.01g単位の電子はかりで測るのが確実です。

Amazon購入ページより引用(クリックすると購入ページに飛びます)

エポキシ造形パテ(高密度タイプ)

  • 使うのに手間がかかる
  • 硬化時間は少し長い
  • 硬化後はガチガチに固くなる
  • こんもりと盛るような使い方ができる

電子工作ではほとんど使わないのですが、3Dプリント品の補修に使うので常備しています。硬化の仕組みはクイック5と同じなのですが、粘土のように自由に形を作れるので欠けた部分を整えたりするのに使っています。硬化後はカチカチになるのでヤスリ掛けも出来ます。速硬化タイプもありますが、こちらの方がちょっとだけ硬化した後のキメが細かくて綺麗に仕上がるのでよく使っています。

使い方は主剤と硬化剤を同量ちぎって混ぜ合わせるだけです。完全硬化は12時間ほどですが、固くなり始めるのはもっと早いので混ぜた後は手早く作業が必要です。