ハンダごての選び方

2023年9月4日Raspberry Pi Pico入門,その他

概要

ハンダごての選び方を教えてほしいとの意見がありましたので私なりに整理してみました。

ハンダごてを選ぶポイント

ハンダごてはピンからキリまで種類が豊富なので選ぶときに迷うと思います。
まずは選ぶ時のポイントを整理します。項目は重要度の順番で書いています。

出力、ワット数

初心者なら30~40Wがおすすめです。これよりも少ないと電子部品の端子や基板に熱を奪われてしまい、こて先の温度が下がってしまうケースが増えてしまいます。こて先の温度はハンダ付けで最も重要で、温度が下がるとハンダが上手くくっつかず不良の原因となります。
ただ、温度が高すぎると電子部品や基板を破損してしまったり、ハンダの品質が落ちたりするのでワット数が高すぎるものは避けたほうがいいかもしれません。

こて先の形

これもかなり重要です。電子工作では細かいハンダ付けも多いので、こて先が太いと隣のハンダも一緒に溶かしてしまう等の失敗をしやすくなります。ただ、こて先が細すぎるとこて先の温度が下がりやすくなるのでバランスが大事です。
「電子工作用」と書いてあるものがちょうどいいくらいの太さになっています。

参考資料として白光のこて先一覧のリンクを貼っておきます。
色々な種類がありますが、最初はスタンダードなB型がおすすめです。似たような形状でI型がありますが、B型に比べてこて先の温度が下がりやすいので慣れてきた方向けです。

温度調整機能

重要度は少し下がりますが、予算があるなら是非ともほしい機能です。
ワット数のところでも書きましたがハンダ付けはこて先の温度が最も重要なので、こて先の温度が調整できると作業が楽になり品質も上がります。また作業ごとの最適な温度も意識しやすくなります。
とはいえ、温度調節機能が無いものはちょうどいいくらいの温度になるよう設計されていますし、どうしても温度を変えなければならない場面は意外と少ないので必須ではないです。

起動時間

ハンダ付けの品質には影響しないので重要度は高くないですが、作業性がかなり上がるので予算があれば気にしたい性能です。安いハンダごてでは規定の温度まで上がるのに4分近くかかりますが、高価なものでは10秒程度で立ち上がるモデルもあります。

汎用性

これもハンダ付けの品質には影響しませんが、こて先を変えることでウッドバーニングやステンドグラス制作に使えるモデルもあるようです。

おすすめのハンダごて(低価格)

出力数のみ条件を満たしたものをいくつかリンクを貼ります。
かなり安いのでまずは試してみたいという方にお勧めです。メーカーは白光、goot、HOZANあたりがおすすめです。

おすすめのハンダごて(やや高価)

以下はガッツリ電子工作をやっている人御用達のモデルとなります。Twitterでも使っている人を結構見かける人気商品です。
温度調節機能があり、セラミックヒーター方式でこて先の温度が変化しくいので作業が早く品質も高いハンダ付けができます。

3つめの「984-01」は温度調節機能はありませんが、手元のボタンでこのサイズでは破格の130Wを出すことが出来ます。頑張れば真鍮や銅のハンダ接合もこなせるくらいのパワーがあるので個人的に気に入っています。(こて先やヒーター的にはオーバーヒート状態なので取扱注意ですが)

おすすめのハンダごて(高価)

ここからは趣味は電子工作に全振りの方や、業務で基板を作る人向けのモデルです。
どれも私自身が使用したことがある中で使いやすかったものを選んでいます。