マイコンでアナログ時計を制御してみた(正転&逆転)

2022年12月18日作ってみた

アナログ時計の制御に関するブログを見つけたので、勉強がてら100円ショップの時計で遊んでみました。
・参考にさせて頂いたブログ ⇒ http://radiopench.blog96.fc2.com/blog-entry-499.html

クォーツ時計の仕組み

クォーツ時計のモーターは1相のステッピングモータともいえる仕組みになっています。
単純に1相で+とーを反転させるだけでは時計回り・半時計回りのどちらに回るか決められないので、コイルの鉄心を非対称な形にすることで通電していない時の安定点を通電した時の安定点よりも時計回りに少しずらしています。
※GIF動画はかなりデフォルメした形で書いたので、実際の形状とは異なります。

回転方向を逆転させる

上で説明した通り、モーターの磁気回路が機械的に調整されて時計回りに回っているため、普通に+とーを逆にしても逆転はしません。

そこで一瞬だけ通電することで少しマグネットを逆転させ、反動でコイルよりも少し逆転したタイミングで逆方向に通電することで反転させます。参考サイトでは通電方向を逆転させる直前の無通電時間はありませんが、入れた方が安定したので追加しています。

原理試作

時計のモーター部のコイルからリード線を引き出して、モータードライバとArduinoで電圧を制御する回路を組んでみました。
元々の駆動回路は、「電流が逆流して壊れてもいいや!」という設計思想のため手を加えていません。

ブログにあるグラフのt3、t4は時計によって異なってくるので、そこの微調整が大変でした。。。なにせ少し逆回転した時の惰性で無理やり逆転させるので、パラメータはかなりシビアです。もちろん印加電圧も微調整が必要です。私の場合は印加電圧3.97[V]、t3=10[ms]、インターバル5[ms]、t4=30[ms]で安定して逆回転させることが出来ました。
針の位置によって失敗しやすいところがあるので、ギアのかみ合わせのバラつき等が影響しているのかもしれません。

回路を整理

動画撮影後に回路を少し変えてみました。モーターの抵抗値が687Ωと結構大きかったので、モータードライバーから信号用レベル変換回路に置き換え、時計用の電源も外付けから内蔵のエミッタフォロワ回路に変更、転がっていたちょうどいいサイズの基板の切れっぱしに実装しました。

レベル変換回路はAmazonで購入したものを使用しています。部品を見た感じだとFETと抵抗2個で作るレベル変換回路かと思われます。FETの型式はわかりませんが、電流は約6mAなのでたぶん問題はないかと。
https://amzn.asia/d/aybrtNX

感想

この技術、何かに使えるのかなぁ。
電波時計は考えてみたんですが、針の現在位置を知る方法が無いので自動制御が難しいんですよね。
光学検知だとセンサー等でごちゃごちゃしてしまいますし、裏のギアに手を加えるしかないかもしれません。
何かいいアイディアがあればご教授頂けると幸いです。