電子工作に必要なもの

2024年10月20日Raspberry Pi Pico入門,その他

概要

電子工作を始めるために必要なものを整理してみました。
ここではマイコンで電子工作を始める際に必要なものを挙げています。

必須のもの

ハンダごて

はんだごて、半田鏝と表記方法はいろいろですが、このブログでは個人的な好みで「ハンダごて」に統一しています。
詳細は別ページで解説しています。

こて台

ハンダごてのこて先は300℃以上になるので普通に机に置いておくと机が焦げてしまいます。そこでハンダごてを置いておく台が必要になります。

個人的には↓このようなハンダごてをしっかりホールドするものがおすすめです。

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↓このような小さなものは場所を取らず片付けやすいので便利ですが、ちょっとしたことで落ちてやけどしたり机を焦がしたりしやすいので注意が必要です。

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ハンダ

スズと鉛の合金で、183℃で溶けて液体になります。この性質を利用して電子部品を接合し、回路を作っていきます。
ハンダの品質は最初は特に気にしなくてもOKです。電子工作用と書かれたものであれば大丈夫です。

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鉛は他の金属になじませるために重要な成分なのですが、人体には有害な物質です。趣味レベルであれば体への蓄積は無いのですが、工場で毎日ハンダ付けするような方には健康に影響があります。
そのような業種向けに使われているのが「鉛フリーはんだ」です。市販の電気製品のほとんどにはこれが使われています。特徴としてはスズの含有量がおおいので融点が230℃程度となっているため、普通のハンダごてでは簡単にハンダ付けできません。なので初心者にはおすすめできません。

ハンダ吸い取り線 or ハンダ吸い取り機

乗せすぎたハンダを取り除くためのものです。ハンダの量が多くなってしまうのはプロでも日常茶飯事なので取り除く手段は必須です。吸い取り線と吸い取り機はどちらも一長一短であり、どちらを使うかは状況と好みの問題だと思います。初心者には吸い取り線の方が綺麗に吸い取れるのでおすすめです。

ハンダ吸い取り線は素早く安定して綺麗に吸い取ることが出来ますが、一度吸い取ったものを再利用することは出来ないので使い捨てになります。白光(HAKKO)、太洋電機産業(goot)、ホーザン(HOZAN)のものは綺麗に吸い取ることが出来るのでお勧めです。
少し値段は上がりますが、口金付きのものが便利です。吸い取り線は金属なので熱を伝えやすくて、ハンダごてを当てていると10~20秒ほどで当てていない部分が素手で持てないくらい熱くなります。

Amazon購入リンクより引用
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ハンダ吸い取り機は中を掃除することで何度も使うことが出来ますが、ハンダ吸い取り線と比べるとハンダを完全に除去するのは難しいです。ハンダを綺麗に除去するにはコツがいりますが、吸い取り線では吸い取れないような細い隙間でも吸い取ることができます。

おすすめはENGINEER製のSS-02です。これを見つけるまでは吸い取り線派でしたが、SS-02は吸い取り線並みに綺麗に吸い取れるので最近はこればかり使っています。

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テスター

電気は目で見て確認することが出来ないので、確認するための測定器が必要になります。特に導通チェック、電圧確認、抵抗値の測定は頻繁に使うので、それらの機能がそろったものがあると便利です。
ネットで調べると選ぶポイントがいくつか出てきますが、意外と盲点なのが収納のしやすさです。テストリードは使うたびに出したり仕舞ったりするので収納しにくいものは毎回イラっとすることになります。

今までに私が使った中で使い勝手がよかったものは↓この二つです。

Amazon購入リンクより引用
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あると便利なもの

ピンセット

細かい部品を持つのにも使いますが、ハンダ付けの時に電子部品の足や配線を固定しておくのにもよく使います。
最初は100均のものでもOKですが、先が曲がったりして若干使いにくいかと思います。個人的にはHOZANのものがしっかりしていて好みです。

ニッパー

リード線を切ったり抵抗の足を短くしたりとかなり使用頻度は高いです。最初は安いものでも万能はさみでも大丈夫です。
というか私が今でも安物を使っているのでおすすめ出来るほど知識はありません。。。

ワイヤーストリッパー

リード線の被覆を剥くのに使う工具です。はさみやカッターでもやろうと思えばできますが、ちょっとコツがいります。電子工作にハマってから購入でもいいかもしれません。
私は↓これを使っています。

よく使う材料

マイコン、電子部品

作りたいものに応じて電子部品の購入が必要になります。
初めての場合はスターターキットを買っていろんな回路を試してみるのがおすすめです。

ブレッドボード

ハンダ付けをせずに簡易的に回路を組むための基板です。
最終的にはユニバーサル基板やプリント基板で作ることがほとんどですが、慣れていない回路の練習や、マイコンやICの動作確認には欠かせません。

下のイラストのように使うもので、A~E、F~Gがそれぞれ内部で繋がっており、部品の端子を指したりジャンパー線を繋いだりして回路を組むことが出来ます。
赤いラインと青いラインは横一直線に繋がっていて、赤い方に電源の+、青い方にGNDを繋ぐことが多いです。

ジャンパー線

ブレッドボードで部品同士を接続するために使う配線です。ブレッドボード以外でも基板とモジュールを繋いだりするのにもよく使うので長さを2~3種類用意しておくと便利です。

「ジャンパー線」と検査すると、リード線が付いたもの、針金をコの字型にしたものの2種類が引っかかってきます。
リード線タイプは気軽に配線出来て汎用性がありますが、本数が増えるとゴチャゴチャになってきます。そういう時は一部を針金タイプにすると配線がスッキリします。

Amazonにはかなり安いものが出回っていますが、リード線タイプはリード線が切れやすかったりコネクタが壊れやすかったり、針金タイプは針金が柔らかすぎてブレッドボードに刺さらなかったり。。。
当たり外れがあるので、少し高価ですが最初はサンハヤト製がおすすめです。(安いものでも回路の動きが変わったりとかはほとんどないので財布との相談でOKです)

ユニバーサル基板

スターターキットではブレッドボートと呼ばれるハンダ付け不要の基板を使用しますが、しっかりした回路を作るのであれば電子部品をハンダ付けで固定する必要があります。その際に便利なものが「ユニバーサル基板」です。

これは2.54mm間隔で電子部品をハンダ付けするための穴が開いており、電子部品をハンダ付けして足同士をつなげれば回路を作ることができます。コスパ重視ならAmazonの緑色の基板がおすすめです。秋月電子は不良が少なく品質が安定しています。

◆安さ重視

◆秋月電子

ちなみに電子回路では2.54mmという寸法が多く出てきます。これはヤード・ポンド法に換算すると0.1インチ(100ミリインチ)となり切りのいい数字だからです。

リード線

回路や部品を接続するために頻繁に使います。太さは大電流を使わないのであればAWG26(0.12sq)あたりがおすすめです。ハンダ付けの時に被覆が溶けてグズグズになってしまうことが多いのですが、シリコン被覆のタイプなら多少強度は落ちますが被覆が溶けにくくて使いやすいです。

ハンダメッキ線

ユニバーサル基板上で電子部品の足を繋ぐのに使います。リード線でも繋げるのですが、ハンダメッキ線は既にハンダが表面になじんでいる状態で売られているので簡単にハンダ付けすることが出来ます。

似たような商品でスズメッキ線というものもあります。ハンダの馴染みが若干良くないので回路作りにはハンダメッキ線の方がおすすめです。

ピンヘッダ

ピンヘッダはコネクタの一種です。QIコネクタとも呼ばれており、実験用のコネクタとして一般的に使われています。スターターキットに入っているジャンパ線とも互換性がありますし、Amazonや秋月電子等で売られているモジュールでも使われているので持っておくと便利です。

Amazonでもかなり安く売られていますが、個人的には秋月電子の「分割ロングピンソケット」とスイッチサイエンスの「両方長いピンヘッダ」の組み合わせがオス・メスのどちらにも対応できて便利です。

ターミナルブロック

これもコネクタの一種です。被覆を剥いたリード線を穴の中に差し込み、ネジを閉めこむことで固定します。リード線にコネクタを付けなくても回路と接続できるので便利です。

秋月電子等の専門商社で売っているものは作りが丁寧で使いやすいのですが、私の場合、実験用途では値段の安いAmazonで買ったものをよく使っています。4ピン以上の大きいものも売っていますが、コネクタ同士をドッキングすることが出来るので2ピンと3ピンのみ常備しておいて必要に応じて組み合わせて使っています。

マスキングテープ&油性ペン

マスキングテープは基板の固定・リード線を束ねる・ラベルを付ける等、電子工作でかなり役に立ちます。紙製テープなのでハンダごてを軽くあてた程度では溶けたり焼けたりせず、適度な粘着力なのでビニールテープのように剥がしたときにネバついたりせず、ペンでの書き心地も良い、とかなり使い勝手がいいです。
私は3M社の15mm幅をよく使っています。

油性ペンはゼブラ社のマッキー極細タイプを使っています。
ゼブラ社のペンはRoHS指令規制対象となる物質を使っていないと公式が発表しており、非該当証明等の資料も充実しているので前職の頃からお世話になっています。(マッキーで何か書き込んだ製品を海外に輸出する時の話なので聞き流してください)

カプトンテープ(ポリイミドテープ)

電子基板用耐熱・絶縁テープです。カプトンとはデュポン社の商品名で、一般的にはポリイミドと呼ばれている樹脂です。ハンダごてを軽くあてても溶けたり変形したりせず、粘着力も強く、電気を流すには数百kVが必要なほど高電圧に耐えられます。
電子工作では基板やケース等で金属同士が触れそうなときに片方にこれを張り付けてショート対策をしたりします。またユニバーサル基板に貼り付けて、テープの上にシール基板を張り付けると表面実装部品を使うときに便利です。

3M社のはこんなに高かったんですね…知らなかった。私は電子部品屋で買ったメーカー不明のものを使っています。